他の分子吸収スペクトルと同様に、近赤外透過スペクトルの測定は透明で均一な液体サンプルに用いられる。最も一般的な測定部品は石英ビームカップであり、測定指標は吸光度である。スペクトル吸光度、光路長さとサンプル濃度との関係はランベルト・ビルの法則、すなわち吸光度は光路長とサンプル濃度に比例する。これは近赤外スペクトルの定量分析の基礎である。
近赤外スペクトルは感度が低いので、分析中にサンプルを希釈する必要は通常ありません。しかし、水を含む溶媒は近赤外光に対して顕著な吸収を有する。ビームカップの光が大きくなると、吸光度が非常に高くなり、飽和することもあります。そのため、分析誤差を減らすために、測定スペクトルの吸光度は0.1-1の間に制御することが好ましく、通常は1-10 mmのカラーカップを使用する。便宜上、吸光度が0.01まで低く、1.5、さらには2までの近赤外スペクトル測定がしばしば見られることがある。
近赤外スペクトル技術は非破壊測定、サンプル製造不要、簡単で迅速などの突出した優位性があり、主にその拡散反射スペクトル収集モードに由来する。拡散反射モードは、粉末、ブロック、シート及びフィラメントなどの固体サンプル、並びにペースト及びペーストなどの半固体サンプルを測定するために使用することができる。サンプルは果物、錠剤、穀物、紙、乳製品、肉類などのいかなる形状であってもよい。特別なサンプルの調製を必要とせず、直接測定することができる。
近赤外拡散反射スペクトルはランベルト・ビルの法則に合わないが、以前の研究では、ある条件下で拡散反射の吸光度(実際にはサンプル反射率と参照反射率の比の負の対数)と濃度に一定の関係があることが分かった。線形関係については、試料の厚みが十分に大きく、濃度範囲が狭い、試料の物理状態とスペクトル測定条件が一致しているなどの条件を満たす必要がある。そのため、拡散反射スペクトルを使用することは、透過スペクトルなどの多変数補正を使用した定量分析にも使用できる。
3.拡散透過モード
拡散透過モードは固体試料の透過スペクトル測定である。入射光があまり厚くない固体試料に照射されると、光は試料内部を透過して拡散反射し、最終的に試料を通過して分光計にスペクトルを記録する。これは拡散透過スペクトルです。拡散透過モードは、通常、錠剤、濾紙サンプル及び薄層サンプルの近赤外スペクトル測定に用いられる。そのスペクトル吸光度は成分濃度と線形関係にある。
4.透過モード
溶液サンプルの透過スペクトル測定は、入射光をサンプルに通し、他方の側の透過スペクトルを測定することである。これとは異なり、反射モードでは、サンプル溶液の後ろにミラーを配置します。入射光は試料を通過し、再び試料溶液に入る前にミラーで反射される。入射光の同じ側で透過反射スペクトルを測定する。光は試料を2回通過するので、光路長は通常の透過スペクトルの2倍になる。スペクトルの測定を容易にするために透過モードを設計した。入射光と反射光は同じ側にあるので、1つのプローブに入射光路と反射光路を取り付け、プローブの先端にキャビティを取り付けることができます。上部には反射器があります。使用時、プローブを溶液に挿入し、溶液をキャビティに入れ、入射光路から光を溶液に照射し、リフレクタで反射して溶液を戻し、その後反射光路に入り、分光器に入ってスペクトルを測定する。本質的には、透過及び反射スペクトルも透過スペクトルであるため、その吸光度と濃度は線形関係にある。